スイモアマイモ

やかましいオタクのしょーもない独り言 (Twitter:@inrmemk)

すばる担の私が「会見出」の嵐ファンになる、かもしれない話。

一生推すと決めた自担がアイドルを辞めると宣言したその日から、永遠なんてないと誰よりも分かったつもりでいた。
最後に私たちの名前を叫んだとき、年が明けて「ただの渋谷すばる」になったとき、十分すぎるくらいに分かったと思った。
日常はあっけなく非日常へと変貌する。


嵐が活動を休止する。
Twitterでその知らせを見た私は思わず全ての思考を止めてしまった。年明けたんじゃなかったのか、神様。
ありえないと思っていたことが今まさに起こっている事実をすぐに飲み込むことはできなかった。
少しずつ噛んでいくと、涙が出てきた。

もう二度と味わいたくなかったあの感覚。それに似たものを感じている人がいま全国に、いや海外にもどれだけいるんだろう。
このまま永遠に泣けるんじゃないかってくらいにずっとずっと泣いていたあの日を思い出した。
きっとすぐ近くにもいる。もしかしたらお隣さんがそうなのかもしれない。多くの人の悲しむ姿が想像できて、胸が締め付けられた。

アイドルが好きではなかった頃から、嵐のパフォーマンスにはなんとなく惹かれるものがあった。レギュラー番組もドラマも見ていたし、歌番組は実家で母と口ずさみながらテレビの前で盛り上がったのがとても印象的だ。
嵐のことをインフラやサザエさんと例える人がいたが本当にそうで、生活に必ずあるもの、嵐と育ったといっても過言ではなかった。間違いなく国民的アイドルだからだ。

そして、嵐は関ジャニ∞の友達だ。
共に黄金期を過ごした仲間で、同世代のライバル。
嵐の冠番組にお邪魔しては乗っ取りを企て、みんなでわちゃわちゃしている姿に癒やされた。
新規の私は殆どリアルタイムで見た事がないので、共演をいつも心待ちにしていた。

だからただ、寂しかった。
けれどあくまで外野の私が何か言葉を発することは躊躇われた。全てのことが手につかなくなって、かと言ってTwitterを閉じる事もできず、画面を見ながら湧き出る何かをうちに抱えることしかできなかった。


どうしようもないからもう寝ようと踏ん切りをつけたとき、記者会見の映像が流れていると知った。
何か思うよりも先にテレビをつけていた。
それは衝撃的な映像だった。

全員いつもと同じような顔色で、一つひとつの質問に時には笑いも交えながら、一分の隙もなく答えていた。
もしかしたら誰かが泣いてるんじゃないか、重苦しい雰囲気なんじゃないかと思っていた私は本当に本当に驚いた。和やかで、ワイプのアナウンサーさんが思わず微笑むほどいつもの嵐だった。

笑みを見せつつも、彼らの覚悟がひしひしと伝わってきた。一人ひとりがメンバーをファンを、嵐を心から愛していることがこれ以上ないくらいに分かった。
外野に勝手な事を言わせない隙のなさ、これまで紡いできた思い出や大切な人を絶対に守るという気概が素晴らしかった。

記者会見というものは辛い思い出しかない。けれど目の前にいる人たちがどれだけ凄い人たちだったかを思い知らされる場所でもある。
私は4月15日、関ジャニ∞を応援してきて良かったと心の底から思った。好きな人たちがどこまでも大好きな彼らで誇らしく思った。嵐のファンの方々もそう思ったんじゃないかなと勝手に考えていた。

彼らはとても頭のいい大人で、優しくて、テレビの前でひたすら「すごい」と言う事しかできなかった。
すごかった。かっこよかった。
本当に「会見出」の嵐ファンになってしまう。
記者会見が終わったあと、ファンクラブの新規会員登録画面まで開いていた。

けれど今から嵐を追いかけることはきっとめちゃくちゃしんどい。
彼らというアイドルが素晴らしい存在であることは容易に想像がつくが、その歴史の長さと重みに腰が引けてしまう。
しかも、「今まで通り」ではないと知りながら、その日が近付く事を恐れながら見続けるつらさを私は知っている。思い返しただけで怖い。


コンサートにも本気で行きたくなった。あんなにかっこいい人たちの、アイドルとして輝く姿を生で見てみたいと思った。
けれど、今まで応援してきた人たちの邪魔を断じてしたくない。ファンクラブ会員全員を想定した予定動員数とはいえ、計り知れない人気を誇る嵐だ。絶対はない。

すばるさんはすべてにおいて納得できる最高のサヨナラをくれたと思っている。けれど、私は去ることを決めたすばるさんにありがとうすら直接言えなかった。
嵐のファンには全力で伝えてきてほしい。
でも今まで何も知らなかった私ですらコンサートに行ってみたくなるほど素晴らしい記者会見で、もう、ほんとに、困ってしまう。

しばらくの間悩み続けるだろう。
まさか私が嵐さんのファンになるかもだなんて。

やっぱり、たった1日で世界なんて変わってしまうんだ。